小児夜尿症専門外来について

小児夜尿症専門外来とは

生まれたばかりの赤ちゃんは、反射的に排尿します。つまり、ある一定量の尿がたまると即座に出てしまうのです。

それが脳の発達とともにだんだん尿を我慢できるようになり、場所と時間をわきまえて排尿することが出来るようになります。

小児夜尿症とは、その脳の発達とともに排尿をコントロールすることができず、結果おもらしをしてしまう症状のことを言います。

おもらしの良くなる年齢は様々です。子供の夜尿は5~6歳児で20%弱にみられます。

男児にやや多く、男女比はだいたい3対2といわれています。

小学校4~5年生で自然消失することがほとんどですが、小学校入学以降で本人や家族にとって問題になる場合には治療を考慮します。

具体的には小学校一年生以降で週の半分以上おねしょをする場合、治療をすることが多いです。

小児の夜尿症の病型分類

※解離型とは、がんまん尿量(昼間膀胱容量)は低下していないが、夜間のみ膀胱容量が低下しているタイプ

帆足英一:小児科臨床65:387-395.2012

ちょうど、歩行や言葉の上達に個人差があるようなものです。

しかし、特に夜のおもらし(夜尿)は長引くことも珍しくないので、修学旅行や宿泊研修を不安な気持ちで迎える親御さんとお子さんが当院を訪れることは少なくありません。

小児夜尿症のメカニズム

夜尿児は睡眠中の膀胱の大きさが昼間に比べて小さいことが知られています。

また、膀胱の容量を越えてしまうほど、夜間尿量が多いことも知られています。これは尿量や水分を調節しているホルモン(抗利尿ホルモン)が夜間に十分に分泌されていないことに関係しています。

つまり、夜の尿量と膀胱の大きさのバランスが良く無いことが主な原因なのです。


寝ている間の尿意(尿のたまってきた感じ)に対する脳の反応が鈍いことも重要です。

おねしょは体や心の発育と連動してよくなることが多いといわれています。

ストレス(叱られる、両親の不仲、環境の変化など)がおねしょの重要な原因と強調されていた時代もありましたが、最近では、原因というよりは上に述べたものを悪化させる因子、と考えられるようになってきています。

お子さんの成長に合わせて治療を行うことができます。 早めの判断が、小児夜尿症の早期治療になります。

当院では、膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染症を起こしたことがないか、頻尿、尿もれの有無、尿が出づらい、勢いが弱い等の排尿障害を確認します。

また、中には神経系や尿路系の先天異常が背景にあることがあります。子供なのに便秘に悩んでいたり、背骨や臀部にこぶや凹みなどがみられる場合、精密検査の対象になることがあります。

診療案内

小児夜尿症専門外来 診療受付時間
毎週木曜日 午後13:30~16:30
検査などで時間が指定されている場合は、左記時間帯に関わらず、指定時間までに来院してください。
担当医
飴田 要、古野 剛史